撥弦打弦系の楽器たち

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★リュート
アラビアで生まれたウードはヨーロッパに渡り、フレットを付けてプレクトラム(ピックのようなもの)から指でつま弾く奏法になりリュートに変身した。洋梨型のボディに曲がったネックが特徴で、ルネサンス期に大流行し、ガリレオの父親もリュートの演奏家だったという。絵画で一番よく描かれる楽器でもある。ギターの仲間であるが、より繊細で柔らかい音色である。
アラビアのウードはもともとペルシャのバルバットから変わっていったといわれている。バルバットは東に伝搬して、中国や日本の琵琶の原形となった。そう言った意味で、西洋と東洋の楽器は一つの線で結ばれている。

主な使用曲:雪のモテット(ガラン)空想の船/ハレノヒ(ジグ) ドゥクチア/ブルゴーニュのブランル/花より美しきものは(カテ)マルガレーテのダンス/ノスタルジア2(雑想)

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★シターン
ルネサンス期にイギリスなどで流行した小型の撥弦楽器。フレットは金属でプレクトラム(ピックのようなもの)でジャカジャカとかき鳴らす。フラットマンドリンの先祖といっていい楽器。床屋の順番を待っている間に、客が弾いていたりしたという。松本の作ったものもある。ロバやカテリーナでは、最近はあまり公演に持ち歩かず、主にロバライブや録音の時使っている。
主な使用曲:1+1=1/十人のインディアン(ガラン)旅する楽隊(ジグ)


★サズ
長い竿を持つリュート。胴は木を刳り貫いたもので普通のものでヘルメットくらいの大きさはある。3コースで複弦で(三本の所もある)5度を基調としたマンドリンなどに近い調弦。大きさも小さなものから巨大なものまである。
サズはトルコで主に使われている。吟遊詩人が好んだこの種の楽器は中近東に非常に多く観られ、中世の時代、西洋にも流れていって「サラセンギター(イスラム教徒のギター)」などと呼ばれていた。サズの原形はペルシャの「セタール」(3弦の意味)で、中国の「三線」日本や沖縄の「三味線」も繋がっていると観ていいだろう。リュート同様、この楽器も西洋の端から東洋の端まで、形を変え枝分かれしていった楽器であろう。

主な使用曲:ガランピーダンスリングリガリン(ガラン)目を覚ませジグ(ジグ) ラ・マンフレディーナ/優しく美しい乙女(カテ)愚者の船/逃げるが勝ち2(雑想)

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★プサルテリー
プサルテリウムとかサルテリーとか呼ばれる、弦をかき鳴らすという意味を持つ楽器。中世の箱琴で金属の弦をカラスの羽根や指などではじいて音を出す。後にこれに鍵盤が付いたものがチェンバロになる。写真のプサルテリーは、合奏団結成当時、松本自身が作った楽器。
カテリーナの演奏で松本と上野との即興的な2台のプサルテリーの会話(Duo)が聞けるが、二本の糸が音を編んでいくような絡み合いは、まさにどこの世界にもない静かな輝きを放つ。
ロバ=緑の妖精たち/ドゥクチア(ガラン)プサとクルム/空想の船2(ジグ) ショーム吹きの踊り/ロンド(カテ)逃げるが勝ち3/ノスタルジア/愚者の船2(雑想) 急ぎ足/トランシルバニアンコラージュ/雨のルーマニアン即興曲(音さがし)くりんこりん(トーナ)
ナイロン弦=ブブルンブー、ピタゴラの踊り(トーナ)


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★サントゥール
プサルテリーと似た形だが、こちらは金属の弦を叩く打弦琴。ペルシャで相当古くからこのような打弦琴があり、現在もイラン(旧ペルシャ)の国で使われている。1000年程前にヨーロッパに渡り、東欧のツィンバロンや西欧のダルシマーに変わっていく。そしてこれに鍵盤で弦を叩く器具を付けたものがピアノとなる。まさにピアノの先祖である。音の減衰が長く繊細で美しい。。
主な使用曲:裸の王様の行進(ガラン)旅する楽隊/じんたーら/水車(ジグ) 五月の日々/愛する人よ(カテ)地上の灯/卵の中の演奏/ゲルニカ(雑想) さなぎ星虹を追う人(トーナ)

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★ハープ
おなじみの楽器だが、中世のハープ(ゴシック・ハープ)ともなれば音を換えるペダルもなければ、アイリッシュハープのように半音を換える器具もない。そのかわり音をビビつかせる「さわり」のようなものが付いている。ロバは録音時にハープの音がよく出てくるが、これはアイリッシュハープである。
主な使用曲:【ゴシック・ハープ】ラ・マンフレディーナ/プッタネラ(カテ)
      【アイリッシュハープ】裸の王様の行進/風の歌(ガラン)愚者の船/夕焼け行進曲/冬(雑想)



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